数学の計算問題を解いているとき、「あれ? どこで間違えたんだろう?」と悩んだ経験はありませんか?
実は、そんな計算ミスの多くは、基本的な「計算法則」の理解不足が原因です。
この記事では、高校数学の基礎となる交換法則・結合法則・分配法則について、わかりやすく解説していきます。
それぞれの法則の意味や使い方を、具体例とともに丁寧に説明しているので、初めて学ぶ人でも安心です。
さらに、理解を深めるための練習問題(解説付き)も用意しています。
記事を読み終えるころには、計算のルールが自然と身につき、数学の問題がグッと解きやすくなるはず!
- 計算ルール(計算法則)を理解できる。
- 交換法則が成り立つ演算を理解できる。
- 結合法則が成り立つ演算を理解できる。
- 分配法則が成り立つ演算を理解できる。

理解を深めるための練習問題も用意しているので、ぜひ挑戦してみてね!
計算法則とは?
数学における計算法則とは、数式を計算するときに必ず成り立つ計算のルールのことです。これらの法則を理解しておくことで、計算ミスを防いだり、式の変形・整理をよりスムーズに行ったりすることができます。
高校数学でよく登場する計算法則には、次の3つがあります。
- [交換法則] \(A+B=B+A\) | \(AB=BA\)
- [結合法則] \((A+B)+C=A+(B+C)\) | \((AB)C=A(BC)\)
- [分配法則] \(A(B+C)=AB+AC\) | \((A+B)C=AC+BC\)
なぜ計算法則を学ぶのか?
これらの法則は、数式を簡単にする(展開・因数分解)ときや、方程式を解くときに必要不可欠です。
特に高校数学では、式を「どのように変形できるか」が問題の鍵になることが多いため、これらの法則を正しく使えるようにしておくことが大切です。

特に今後学ぶ「展開」や「因数分解」「方程式の変形」で何度も使われる基本なので、ここで確実に理解しておきましょう。
交換法則について
交換法則とは、演算を行う順序(項の並び順)を入れ替えても、結果が変わらないという法則である。これは加法および乗法において成り立つ。

交換法則が成り立つのは加法(たし算)と乗法(かけ算)だけ!減法(ひき算)および除法(わり算)には適応できない。
加法における交換法則
任意の実数\(A,B\)に対して、
\(A+B=B+A\)
が常に成り立つ。
【例】\(3+5=5+3=8\)
このように、加える順番を入れ替えても和(答え)は変わらない。
乗法における交換法則
任意の実数\(A,B\)に対して、
\(AB=BA\)
が常に成り立つ。
【例】\(4×6=6×4=24\)
こちらも、かける順番を変えても積(答え)は同じである。
結合法則
結合法則とは、複数の数を計算するときに、演算の順序(かっこの位置)を変えても、結果が変わらないという法則である。この法則もまた、加法および乗法において成り立つ。

結合法則が成り立つのも加法(足し算)と乗法(掛け算)だけ!
加法における結合法則
任意の実数\(A,B,C\)に対して、
\((A+B)+C=A+(B+C)\)
が常に成り立つ。
【例】
\((2+3)+4=5+4=9\)
\(2+(3+4)=2+7=9\)
よって、
\((2+3)+4=2+(3+4)\)
となり、かっこの位置を変えても和は変わらない。
乗法における結合法則
任意の実数\(A,B,C\)に対して、
\((AB)C=A(BC)\)
が常に成り立つ。
【例】
\((2×3)×5=6×5=30\)
\(2×(3×5)=2×15=30\)
したがって、
\((2×3)×5=2×(3×5)\)
が成立する。
分配法則
分配法則とは、ある数に対して掛け算を分配して、加法または減法を行うという法則である。特に、乗算が加算や減算に分配されるとき成り立つ。

分配法則は、特に式の展開や因数分解を行う際に頻繁に活用されるよ。
加法に対する分配法則
任意の実数\(A,B,C\)に対して、
\(A(B+C)=AB+AC\)
が常に成り立つ。
【例】
\(3×(4+5)=3×4+3×5=12+15=27\)
減法に対する分配法則
任意の実数\(A,B,C\)に対して、
\(A(B-C)=AB-AC\)
が常に成り立つ。
【例】
\(4×(6−2)=4×6−4×2=24−8=16\)
練習問題(解説付き)
\(A=3x+5,B=2x−1\)のとき、次の式を計算しなさい。
① \(2A+B\)を求めなさい。
② \(2A−B\)を求めなさい。
③ \(4A−3B+2\)を求めなさい。
④ \(5(A−B)+3B\)を求めなさい。

練習問題を用意したよ!それぞれの問題に答えと解説もついているから、自分の理解をチェックしてみてね!
【回答】※解説付き
① 問:\(2A+B\)を求めなさい。 答え:\(8x+9\)
解説:まず A, B を代入して式に当てはめます。
\(2A+B=2(3x+5)+(2x−1)\)
\(=6x+10+2x−1\) [分配法則]
\(=6x+2x+10−1\) [交換法則]
\(=(6+2)x+(10−1)\) [分配法則]
\(=8x+9\)
② 問:\(2A−B\)を求めなさい。 答え:\(4x+11\)
解説:まず A, B を代入して式に当てはめます。
\(2A−B=2(3x+5)−(2x−1)\)
\(=6x+10−2x+1\) [分配法則]
\(=(6x−2x)+(10+1)\) [交換法則]
\(=(6−2)x+(10+1)\) [分配法則]
\(=4x+11\)
③ 問:\(4A−3B+2\)を求めなさい。 答え:\(6x+25\)
解説:まず A, B を代入して式に当てはめます。
\(=4(3x+5)−3(2x−1)+2\)
\(=12x+20−6x+3+2\)
\(=(12x−6x)+(20+3+2)\)
\(=6x+25\)
④ 問:\(5(A−B)+3B\)を求めなさい。 答え:\(11x+27\)
解説:まず\(A−B\)を計算し、A, B を代入して式に当てはめます。
\(A−B=(3x+5)−(2x−1)\)
\(=3x+5−2x+1\)
\(=x+6\)
\(=5(A−B)+3B=5(x+6)+3(2x−1)\)
\(=5x+30+6x−3\)
\(=(5x+6x)+(30−3)\)
\(=11x+27\)
まとめ
今回の記事では、数学における基本的な計算法則について学びました。
計算をスムーズに進めるために欠かせない交換法則、結合法則、分配法則を理解することで、複雑な数式の変形や整理が楽になります。
これらの法則は、特に式の展開や因数分解、方程式の解法において非常に重要な役割を果たします。
加法や乗法の順序を入れ替えるだけで、計算が簡単になる感覚を実感し、問題解決の効率が大幅に向上することでしょう。
さらに、記事内で紹介した練習問題に取り組むことで、実際の問題にどう適用するかを確認し、理解度を深めることができます。
計算ミスを減らし、数学の応用力を高めるためには、これらの法則をしっかりと身につけることが大切です。
これから学ぶ数学の内容でも、これらの計算法則は必ず役立つので、しっかりと理解しておきましょう!

最後までご覧いただきありがとうございました!



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